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広がるリタリン中毒被害
鈴木 篤(2003年記)

リタリンという恐ろしい薬があります。
 塩酸メチルフェニデートの商品名です。ナルコプレシーとうつ病に使われる薬ですが、これが今重大な問題を起こしています。因みに、リタリンのうつ病への使用を認めているのは世界中で日本の厚労省だけです。毎日新聞で2003年の1月から連続7回この問題を取り上げたり、その後も10月にNHKニュースやテレビ朝日Jチャンネルで報道されたことで、御存知の方もいると思います。

 リタリンが問題であるのは、それが覚醒剤と同様の副作用や精神依存(中毒)を起こす薬剤であるのに、事実上無制限かつ安易に使用されその結果多数の重篤な副作用被害患者を生み出していることにあります。
薬の専門書(例えば「治療薬ガイド」文光堂)を手に取り「興奮・覚醒薬」という項を開くと、ヒロポンの名で知られる塩酸メタンフェタミンの次に挙げられているのが、このリタリン(塩酸メチルフェニデート)です。つまり、少し乱暴な言い方をすれば、リタリンは、覚醒剤とほとんど全く同じ効果・効能・副作用を持つ薬なのです。
 それなのに、この薬は、医師の処方さえあれば、簡単に手に入るのです。また、うつ病への使用が認められていることから、一部の医師は、厳密にはうつ病とは言えないような患者に、安易にこの薬を投与しているという問題もあります。現在、私の事務所で相談を受けているケースでは、高校生が不登校ぎみになったということで精神科の医師に相談に行ったら、いきなりリタリンを投与されてしまい、その結果、次第にその量が増えていき、結局はリタリン中毒になってしまったというものですが、このように、医師の安易なリタリン投与によって、中毒患者を生み出しているのです。他方で、また、リタリンが覚醒剤とほとんど同じ効果を持つことから、いくつもの医師のもとを廻ってうつ症状をよそおって処方箋を書いて貰ってこの薬を入手し、それを覚醒剤の代用品として、ヤミで売りさばくという問題も生じているのです。
 しかし、リタリンの乱用は、覚醒剤と同じような副作用を起こします。幻覚や幻聴、攻撃性、薬が切れたときの不眠や不安感などその中毒症状は深刻です。大量使用の結果、自殺した大学生の例もあります。中毒症状の最終局面では、脳の萎縮が起こることも報告されているのです。

問題の根は、第1に、リタリンのうつ病への適用を厚労省が認めていること、第2に、一部開業医がそれを更に安易に広げて、うつ病以外の患者にまで投与していること、第3に、こうした土壌の上に、リタリンを覚醒剤代わりに入手し売り買いするということがヤミの世界で広がっていることなどにあります。

この度、そうしたリタリン被害者やその家族が集まって「リタリン問題を考える会」をたちあげようとしています。当面の会の目的は、今現在リタリン中毒に苦しむ被害者や家族の相互援助やリタリン中毒からの救済のための情報を提供しようという目的でつくられたものですが、何れは、上記のリタリンについての施策の問題点を正していくことも視野にいれていくことになると思います。

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