江戸川法律事務所 お問い合わせ
TOPページ 事務所のご案内 所属弁護士 取扱分野 費用について 法律相談 エッセイ

スティーブンスジョンソン症候群
鈴木 篤(2001年記)

「高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水ぶくれ等の激しい症状が、全身の皮膚、口や目の粘膜にあらわれ」(る)。

これは、市販のごく一般的な風邪薬の効能書の中の文章です。ここに書かれているのが、スティーブンスジョンソン症候群(略してSJS)と言われる副作用被害です。私たちは、普段、薬のパッケージの中の効能書の中にこのような記載があっても、ほとんど全く注意を払わないし、仮に何かの拍子に目にしても、自分とは関係無いと思って読み流してしまいます。まして、「火傷様の水ぶくれ等の激しい症状」などと言われても、まさかベンザやコンタックなどの風邪薬やありふれた胃腸薬などを飲んでそんなことになるなど、想像も出来ないというのが普通の人の感覚でしょう。

しかし、このなにやら聞き慣れない副作用疾患は、既に数十年も前から知られていた薬害で、厚生省によっても今でも毎年300人ほどの被害者が出ています。死亡率は2割以上の高率です。救命できた人でも、多くは重篤な後遺症(失明・味覚喪失など)に苦しみ続ける人がほとんどです。急性期症状が治まった後の粘膜障害による視力障害の進行をくい止めるために、被害者は繰り返し角膜移植をしなければならず、そのために莫大な経済的負担を強いられています。

恐ろしいのは、この薬害はおよそ薬と名の付くものであれば、全ての薬が原因となり得るのです。ですから、いつ誰がこの薬害の被害者になるか全くわからないのです。年間300人ですから、これまでに既に数千人あるいは万の単位で数える数の人が被害に遭っていることになります。

そんなにひどい薬害であるにかかわらず、これまでこの薬害については何にも救済の方法が取られていませんでした。医薬品機構の救済すら「原因となった薬が特定できない」ということのためになかなか受けられないというのが実状です。

2000年暮れに、ようやく被害者の中から、有志が集まりスティーブンスジョンソン被害者友の会が結成されました。代表は、被害者の一人で現在失明の不安を抱えながら大学で学んでいる方です。当面は、孤立したまま重い後遺症に苦しんでいる全国の被害者を掘り起こして仲間の輪を広げていくことが活動の中心となっていますが、それと共に、放置されているこの薬害被害者の救済策を講じるように、厚生省や製薬メーカーに働きかけていく活動も既に始まっています。

厚生省やメーカーが、発生することを知っていて起こる薬害であること、そして発生した被害者の救済をしないで放置していること、いずれも薬害エイズと全く同じです。
 会では、被害者の組織作りと併せて、近く、無責任な厚生省や製薬企業の責任を追及するために訴訟を含む行動に立ち上がることを予定していますが、そのための弁護団の結成の準備も始まりました。

今、会では、事務局仕事を手助けしてくれるボランティアを探しています。これまでどこにも相談出来なかった被害者たちにとって初めて自分達の仲間の会が出来たというニュースはどんどん広がっていて、全国から問い合わせなどの電話等が入っています。しかし、会はまだ専従の職員を抱えるほどの経済的余裕も無く、事務局仕事を担っている中心メンバーも不自由な視力もあって、そうした、各地の被害者からの手紙やメールあるいは電話への対応にも大変な困難が伴っています。みなさんのお力添えを心からお願いいたします。

エッセイTOPへ / 上へ

Copyright (c) Edogawa Law Office All rights reserved.